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2014.11.17 Monday 21:07エボラ出血熱の国内発生が懸念される中、塩崎恭久厚生労働相と東京都武蔵村山市の藤野勝市長は17日、同市内にある国立感染症研究所村山庁舎の危険度の高い病原体を取り扱う施設の稼働について、協議を進めることで合意した。
実験施設は地元の同意が得られず一度も稼働していない。
現在はエボラウイルスを扱ってもよい施設がなく、検査や治療の態勢が十分でないとの指摘が出ている。
藤野市長は塩崎厚労相と面談後、記者会見して「エボラ熱の現状や国内の対応策について説明を受け、村山庁舎の施設が重要な役割を果たすことに理解を深めた。
国の責任で万全な安全対策を講じること、市民の理解を得ることを前提に協議することを了解した」と説明した。
国は、病原体の危険度に応じて施設の安全基準を定めている。
村山庁舎には1981年、世界保健機関(WHO)の施設基準で最高レベルのバイオセーフティーレベル4(BSL4)に相当する施設が整備された。
だが、地元住民が施設の運用凍結と移転を求めており、国は一度も運用許可を出せないできた。
このため、国内でエボラ熱が発生しても、患者の血液にエボラウイルスが存在しているかを確かめる検査しか行えない。
ウイルスの性質や患者の体内でウイルスがどのような状態にあるのか、薬の効果などは調べることができない。(毎日新聞 http://mainichi.jp/select/news/20141118k0000m040061000c.html)
目的があって作ったものを使わないなんて・・宝の持ち腐れ。 -
2024.03.19 Tuesday 21:07| スポンサードリンク | - | - | - | pookmark |
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2015/06/15 9:20 PM posted by: chayakobanエボラ感染症の確定診断・治療支援
エボラ感染症の確定診断・治療支援のための検体検査をウイルス分離法によって行えば、ウイルスに感染する危険性があるので、緊急避難的に感染研村山庁舎の老朽化したBSL4施設稼働が必要となる。村山庁舎BSL4施設の安全キャビネットは検体検査に不便なグローブボックス型であり、ウイルス分離法はウイルス有無の測定に一週間以上掛かる。
海外のエボラ感染症治療現場での検体検査は、ウイルスの遺伝子を迅速に検出するRT−PCR法によって行われている。RT−PCR法は、確定診断や退院決定に必要なウイルスの有無の測定だけでなく、治療・薬剤効果の判定に必要なウイルス量の増減も測定できる。RT−PCR法は、検体にタンパク質分解酵素を混入してウイルスのエンベロープ(膜)を分解して遺伝子を検出する。エンベロープの分解によってウイルスは不活性化され、感染の危険性が消滅するので、RT−PCR法はBSL2・BSL3施設で実施できる。
村山庁舎での確定診断もBSL3施設でRT−PCR法などによって実施されているが、患者の検体採取時にタンパク質分解酵素を混入してウイルスの不活性化処理を行えば、検体は安全かつ簡便に輸送できる。BSL3施設は大学、独立行政法人、企業の研究所などが多数(全国で200以上)保有しているので、特定・第一種感染症指定医療機関に近いBSL3施設で(派遣)検査員がRT−PCR法による検体検査を行えば、検体の輸送時間が大幅に短縮され、確定診断や継続的治療支援が迅速に実施できる。国際医療研究センターに収容された患者の検体検査は、近くにある感染研戸山庁舎のBSL3施設でRT−PCR法により行うのが合理的である。
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